この記事のポイント
Macユーザーなら誰もが一度は考えたことがあるこの問題、「Macって、毎日シャットダウンしたほうがいいの?それともスリープでいいの?」。
昔からの習慣で毎日シャットダウンしている人もいれば、いつもディスプレイを閉じるだけ、という人もいるでしょう。スリープは楽ですが、Macに悪い影響があるのではないか…そんな風に感じていませんか?
結論:普段使いは「スリープ」が正解です
現代のMacは、スリープ状態で最高のパフォーマンスを発揮するように設計されています。毎日のシャットダウンは、ほとんどの場合不要です。この記事では、その理由と具体的な使い方を徹底解説します。
なぜ?スリープが最強である理由

「でも、電源は切るものだと教わった…」という声も聞こえてきそうですが、その常識はもう過去のものかもしれません。現代のMacがスリープを前提に作られている理由を見ていきましょう。
魔法の機能「Power Nap」が裏で大活躍
スリープが最強である最大の理由は「Power Nap」という機能にあります。これは、スリープ中にごくわずかな電力で定期的に目覚め、様々なタスクをこなしてくれる驚くべき機能です。
- 常に最新の状態に: メール、カレンダー、iCloud上のファイルなどを自動で同期してくれます。
- バックアップとアップデート: 電源に繋がっていれば、Time MachineでのバックアップやOSのアップデートファイルのダウンロードまで済ませてくれます。
- Macを探す: 万が一Macをなくしてしまっても、スリープ中に位置情報を更新し続けてくれるので安心です。
特にAppleシリコン(M1/M2/M3など)を搭載したMacでは、このPower Napはオフにできない基本機能として組み込まれています。これは、Appleが「Macはスリープで使うのが当たり前」と考えている何よりの証拠と言えるでしょう。
「閉じるだけ」で即復帰!作業効率が劇的にアップ
スリープ最大のメリットは、その圧倒的な「速さ」と「快適さ」にあります。MacBookならディスプレイを開けるだけ。たったそれだけで、一瞬にしてさっきまでの作業環境が目の前に再現されます。毎日の数分のロスが、1年でどれほどの時間になるでしょうか。
バッテリーにも優しい、賢いパートナー
「スリープはバッテリーを消耗しそう」というのも、実はよくある誤解です。macOSには「バッテリー充電の最適化」という機能があり、利用パターンを学習して、バッテリーが常に100%の満充電状態になるのを避けてくれます。この賢い機能は、Macがスリープ中も含めて「起動している時」にしか働きません。
電気代と部品消耗はもはや都市伝説?
これらも現代のMacには当てはまりません。スリープ時の消費電力はごくわずかで、ある試算では毎日シャットダウンする場合との年間の電気代の差はジュース1本分にも満たないとされています。
また、昔のパソコンと違い、今のMacは物理的に動く部品がないSSDを搭載しているため、電源のオンオフによる摩耗の心配はもはや不要です。
シャットダウンが必要な3つのタイミング

スリープが基本とはいえ、もちろんシャットダウンが必要な場面も存在します。スリープを「普段着」とするなら、シャットダウンは「特別な場面で着る一張羅」のようなもの。その使い分けをマスターしましょう。
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Macの調子が悪いとき(まずは「再起動」)
なんだか動作が重い、アプリが固まる、Wi-Fiに繋がらない…。そんな不調を感じたら、まずは「再起動」を試してみてください。再起動すると、Macの作業スペース(RAM)が一旦リセットされてキレイになるので、ほとんどの一時的な不具合はこれだけで解決します。 -
OSのアップデートをインストールするとき
新しい機能やセキュリティ修正をシステムに適用するためには、通常「再起動」または「シャットダウン」からの起動が必要です。 -
数日以上、長期間Macを使わないとき
旅行や出張などで長期間Macを使わない場合は、バッテリーの消費を抑えるためにも「シャットダウン」しておくのがおすすめです。
操作方法と、いざという時の「Mac救急箱」

基本的な操作から、どうしようもなくなった時のためのトラブルシューティングまで、ここでマスターしておきましょう。
🚨 強制シャットダウンの方法
Macが完全に反応しなくなった時の最後の手段です。
電源ボタンを、画面が真っ暗になるまで約10秒間長押しします。
※注意:保存していないデータは失われます。多用は避けてください。
🔧 SMCリセット (物理的な不調に)
ファン、電源、バッテリーなどの物理的な問題に効果的な場合があります。
Apple Silicon搭載Macの場合
特別な操作は不要です。Macをシャットダウンし、30秒待ってから再度電源を入れるだけでリセットされます。
Intel搭載Macの場合
モデルにより異なります。基本的にはシャットダウン後、control + option + shift と電源ボタンを同時に長押しします。
💡 NVRAM/PRAMリセット (起動や表示の不調に)
音量、画面解像度、起動ディスク選択などの問題に効果的な場合があります。
Apple Silicon搭載Macの場合
特別な操作は不要です。起動のたびにシステムが自動でチェックし、必要に応じてリセットしてくれます。
Intel搭載Macの場合
Macをシャットダウン後、電源を入れ、直後に option + command (⌘) + P + R の4キーを同時に約20秒間押し続けます。
まとめ:Macとの最適な付き合い方

長い解説を読んでいただき、ありがとうございました。最後に、これだけ覚えておけば大丈夫というポイントをまとめます。
基本は「スリープ」
一日の終わりはディスプレイを閉じるだけ。これが最も速く、快適で、Macにも優しい使い方です。
たまに「再起動」
週に一度か、調子が悪いと感じたときに。Macをリフレッシュして快調に保ちます。
お使いのMacは単なる道具ではなく、毎日を豊かにしてくれる最高の「相棒」になり得ます。古い常識や不要な不安に縛られず、Macと最も快適な関係を築いていきましょう!