AppleシリコンM1〜M6の違い Pro・Max・Ultraは何が違う?中古Macの選び方
掲載日:2026年10月11日
この記事はこんな悩みや課題を抱えている人向けです
M1・M2・M3…と数字が増えるたびに、何が変わったのか 分からない
同じM1なのに「Pro」「Max」「Ultra」が付くと何が違うのか 知りたい
最新の無印チップと、一世代前のPro・Maxの中古、どちらを買えば得なのか 迷っている
ローカルLLM(自分のMacで動かすAI) を試したいが、どのMacなら動くのか分からない
Apple Intelligenceを使うなら、どの世代から選べばいいのか 知りたい
自分の使うアプリに、どのMacなら足りるのか 目安が欲しい
こんにちは、Mac専門店・秋葉館のスタッフです。
2026年9月22日、Apple初の2ナノメートルチップ「M6」を積んだMac miniと、M5 Maxを2つつないだ「M5 Ultra」のMac Studioが発売されました。M5 Ultraは最大512GBのメモリを積めて、数千億パラメータのLLMをMacの中だけで動かせるとAppleは説明しています。
こうした新製品が出るたびに、店頭では「Appleシリコンってなに?」「M1とM5はどう違うの?」と聞かれます。Appleシリコンは、Appleが自社で設計しているチップのことで、Macでは2020年のM1から使われています。名前は、世代を表す数字(M1〜M6)と、Pro・Max・Ultraという格の組み合わせでできています。
新しい世代が出ても、古い世代がすぐに使えなくなるわけではありません。2026年9月に公開されたmacOS 27は、Intel Macこそ1台も対応していませんが、Appleシリコンなら2020年のM1まで全機種がアップデートできます。性能の面でも、2021年のM1 Maxは、メモリの読み書きの速さ(帯域)で最新の無印M6の2倍以上あります。
秋葉館の中古在庫を見ると、2021年のM1 Pro 32GBが、2023年の無印M3 24GBと同じ価格帯に並んでいます。最新の無印チップより、数年前のPro・Maxの中古のほうがメモリを多く積んでいて安い 、という逆転がよく起きます。ローカルLLMや動画編集のように、メモリの量と速さがものを言う使い方では、この差がそのまま処理の速さに出ます。その代わり、Apple Intelligenceの一部の機能はM3以降でないと使えません。
この記事では、世代と格を分けて違いを整理したうえで、M3以降で強くなったAI機能、ローカルLLMで効くスペック、アプリごとの目安を、秋葉館の中古価格と並べて見ていきます。
💡 3秒でわかるまとめ
数字(M1〜M6)は世代、Pro・Max・Ultraは格。普段の操作の軽さは世代、重い作業の力は格 で決まる
無印チップは最大32GBまで。M1 Maxの中古はM5やM6より帯域が2倍以上あり、64GB構成が無印M5の中古より安いこともある
Apple Intelligenceの上位機能はM3以降・メモリ16GB以上 (いまは英語の機能が中心)。M1 Pro・M1 Maxは対象外
ローカルLLMはメモリの量で「動くか」、帯域で「書き出しの速さ」 が決まる。長い文書の読み込みはM5以降が速い
外部ディスプレイの台数とThunderbolt 5も格で決まる。Premiere Proの推奨はM1 Pro・M1 Max・M1 Ultra以降
コアはスーパー・高性能(Pコア)・高効率(Eコア) の3種類。M3 ProはM2 Proより高性能コアが2つ少なく、GPUと帯域はM2 Proが上
1. そもそもAppleシリコンとは:IntelからAppleシリコンに変わった理由
2020年にAppleシリコンへの移行が始まるまで、MacのCPUはIntel製でした。
iPhoneのチップづくりが土台
M1の発表でAppleは、このチップを「10年以上にわたってiPhone、iPad、Apple Watchのために業界最高レベルのチップを設計してきた経験をもとに作られています」と説明しています。移行を発表した2020年6月に開発者へ貸し出された試作機には、iPhoneやiPadと同じAシリーズのチップ「A12Z Bionic」が積まれていました。
命令の体系(命令セット)は、スマートフォンで広く使われているArmのものです。Appleの開発者向けの資料でも、Mac向けのアプリを「arm64」で作るよう説明しています。ちなみにArm社は1990年に、Appleを含む3社の合弁で生まれた会社です(Arm公式)。
Appleが挙げた乗り換えの理由
2020年6月22日、AppleはMacをAppleシリコンに移行すると発表しました。理由として挙げたのは、iPhoneやiPadのために作ってきた設計を土台にした「業界をリードするワットあたりのパフォーマンス」と「より高度なGPUパフォーマンス」、機械学習に使えるNeural Engine、そして「すべてのApple製品に共通するアーキテクチャ」です。移行は「約2年間」の予定で始まり、2020年11月のM1から切り替えが進み、2023年6月のMac Pro(M2 Ultra)で完了しました。
当店から見ると、もう1つ大きいのは、チップを自社で設計することで、新しいMacを出す時期や作りをApple自身が決められるようになったことです。CPUをほかの会社から買っていたころは、その会社の製品の予定に合わせる必要がありました。
Intel時代と比べて何が変わったか
M1を発表したとき、Appleは一世代前のMacと比べて、次の数字を挙げていました。
表1:M1と一世代前のMacの比較(Appleの発表)
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※Apple Newsroom(2020年11月10日)より。比較の相手は「一世代前のMac」で、当時のMacはIntel搭載でした。
これまでのMacやWindowsパソコンは、CPUや入出力、セキュリティなどに別々のチップを使っていました。M1はそれを1つのチップ(SoC)にまとめ、メモリもCPUとGPUで共有する「ユニファイドメモリ」にしました(第3章で詳しく紹介します)。
iPhoneとMacの距離が縮まった
作りが共通になったことで、iPhoneとMacの距離も縮まりました。M1の発表でAppleは、「iPhoneアプリケーションとiPadアプリケーションも、これからはMac上で直接動かすことができる」と書いています。MacBook Neoは、iPhone 16 Proと同じA18 Proを積んだMacです(GPUはiPhone 16 Proの6コアに対して5コア)。iPhone用のチップでMacを作れるのも、全製品の作りがそろっているからです。
内蔵GPUの評価は、AIの時代に変わった
M1のときにAppleが誇ったのは、「パーソナルコンピュータでは世界最速の統合型グラフィックス」でした。比べた相手は、あくまでCPUと一緒に組み込まれたグラフィックス(統合型)で、グラフィックボードとの比較ではありません。
ところが、CPUとGPUで大きなメモリを共有できるユニファイドメモリは、AIの時代になって意味が大きく変わりました。Appleは2023年のM2 UltraやM3 Maxの発表から、大きなAIモデルを扱えることを打ち出し、2025年のM3 Ultraでは「6,000億以上のパラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)を直接デバイス上で実行できる」と書いています(第8章で詳しく紹介します)。
Windowsにも同じ流れが来ている
Armのチップや、CPUとGPUでメモリを分け合う作りは、Windowsの世界にも広がっています。
2024年6月、MicrosoftはQualcommのArm系チップ「Snapdragon X」を積んだ「Copilot+ PC」を発売しました(Copilot+ PCには、のちにIntelやAMDのチップを積んだ機種も加わっています)
NVIDIAは2025年10月、Arm系のCPUとGPUで128GBのメモリを共有するAI開発用の小型コンピュータ「DGX Spark」を発売しました。Windowsパソコン向けにも、Arm系のCPUを使う「RTX Spark」を発表していて、ノート型は2026年10月16日に発売予定です
AMDのRyzen AI Max+は、Armではなく従来と同じx86のチップですが、本体のメモリの大部分を内蔵GPUに割り当てて、大きなAIモデルを動かせるようにしています
2020年にAppleが選んだ作りに、ほかのメーカーが近づいてきています。
2. 世代の違い:M1からM6で何が変わったか
M1は2020年11月、AppleがIntelから自社チップへ切り替えた最初のチップです。そこからほぼ1年に1回、数字が1つずつ増えてきました。
表2:無印チップの世代ごとの違い
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※Apple Newsroomと各製品の技術仕様より。
M6はいまのところMac miniにしか載っていません。 MacBook AirとMacBook Proの最新はM5世代で、M6のMacBookは2026年10月時点ではまだ出ていません。
最大メモリの列も見てください。無印チップはM5やM6でも32GBが上限です。これより多く積みたい場合は、次に説明するPro以上を選ぶことになります。
3. 無印・Pro・Max・Ultraの違い
チップ名の後ろに付く「Pro」「Max」「Ultra」は、同じ世代の中での格です。違いは作業場にたとえるとつかみやすいと思います。
コア数 =作業をする人の数。多いほど同時にたくさんの仕事をこなせます
メモリ(ユニファイドメモリ) =作業机の広さ。広いほど大きな資料を一度に広げられます
メモリ帯域 =机の上の資料を手に取って戻す速さ。速いほど、作業がはかどります
ユニファイドメモリは、CPUとGPUが同じ机を使う仕組み
Appleシリコンのメモリは「ユニファイドメモリ」と呼ばれます。M1の発表でAppleは、高帯域幅で低遅延のメモリを1つのプールに収め、チップ内のすべての部分が「複数のメモリプール間でコピーすることなく同じデータにアクセスできる」と説明しています。作業場のたとえで言えば、CPUとGPUが同じ机を使っていて、資料を別の机へ運び直す手間がありません。
パソコンのメモリとストレージは、よく「メモリは作業机、ストレージは本棚」とたとえられます。ところがローカルLLMの世界では、この関係が1段ずれます。Windowsのパソコンでグラフィックボード(単体GPU)を使う場合、GPUにとっての作業机はVRAMという専用のメモリで、本体のメモリは本棚の役に回ります。机(VRAM)に載りきらないモデルは、本棚(本体のメモリ)まで何度も取りに行くことになり、そのぶん遅くなります。
ユニファイドメモリなら、CPUとGPUが1つの大きな机を一緒に使うので、64GBのMacならその大半をGPUの机として使えます。この違いは、第8章のローカルLLMで大きく効いてきます。
左は、CPUとGPUが1つの机(ユニファイドメモリ)を一緒に使うAppleシリコン。右は、GPUが別の小さな机(VRAM)を持つグラフィックボードのパソコンで、載りきらない資料は本体のメモリから運びます。
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無印からPro、Max、Ultraへ上がるにつれて、コア数・メモリ・帯域の3つが全部大きくなります。とくに差が大きいのがメモリ帯域です。
表3:世代と格ごとのメモリ帯域と最大メモリ
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※左が帯域、右が最大メモリ。Apple Newsroomと各製品の技術仕様より。M4 Proの64GBはMac miniのみ(MacBook Proは48GBまで)。M3 Ultraは発表時に最大512GBとされていましたが、現在の技術仕様では256GBまでです。M5 Ultraの512GB構成は2026年10月後半から。帯域に幅があるものは、構成で変わります。M3 Max・M4 Max・M5 Maxは、CPUやGPUのコア数が少ない下位の構成のほうが帯域が細くなります(例:M5 Maxは32コアGPU版が460GB/s、40コアGPU版が614GB/s)。M6は、メモリ16GBの構成が153GB/s、24GB・32GBの構成が170GB/sです。
図1:チップ別のメモリ帯域(GB/s・最大構成)
※Apple公式の技術仕様より。オレンジは2021年のM1 Maxと、2025〜2026年の無印M5・M6。無印M1は帯域が公表されていないため載せていません。数字の一覧は表3です。
2021年のM1 Maxは400GB/sで、2026年の無印M6(最大170GB/s)の2倍以上の帯域を持っています。帯域に関しては、5年前の上位チップのほうが最新の無印より上です。
Pro・Maxは外部ディスプレイの台数も違う
中古の無印MacBookを選んだ方が、あとからつまずきやすいのがディスプレイの台数です。
表4:MacBookにつなげる外部ディスプレイの最大台数
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※Apple公式の技術仕様とサポート記事「MacBook Proに接続できるディスプレイの台数」より。M3の「蓋を閉じれば2台」はMacBook AirがmacOS Sonoma 14.3以降、MacBook Proが14.6以降で、外付けのキーボードとマウスが必要です。
無印のM1・M2のMacBookは、外部ディスプレイが1台までです。外部ディスプレイを2台つなぎたい方が中古の無印M1を選ぶと、1台しかつなげません。同じM1でもProなら2台、Maxなら4台つなげます。
Thunderbolt 5もPro以上だけ
外付けSSDやドックをつなぐThunderboltの規格にも、格の差があります。最大120Gb/sのThunderbolt 5を積んでいるのは、Pro・Max・Ultraのうち、M4 Pro・M4 Max以降と、M3 Ultra以降のチップだけです(M3 Ultraは、2025年3月にM4 MaxとともにMac Studioで登場しました)。無印チップはM6でもThunderbolt 4(最大40Gb/s)です。9月22日に出たMac miniも、M6モデルはThunderbolt 4、M5 ProモデルはThunderbolt 5と分かれています。
4. CPU・GPUコアの違い:スーパーコア・高性能・高効率とGPU
CPUとGPUの違い
CPUは、少人数の熟練した職人です。1つひとつの作業を順番に、素早く正確にこなします。アプリの起動や文字の入力、表計算など、パソコンの普段の作業の多くはCPUが受け持ちます。
GPUは、大勢の作業員です。1人ひとりの仕事は単純でも、同じ種類の計算をたくさん同時にこなせます。もともとは画面を描くための部品ですが、同時にたくさん計算できる性質がAIの計算に向いていて、ローカルLLMの計算も主にGPUが受け持ちます。
CPUのコアは3種類
AppleシリコンのCPUには、役割の違うコアが入っています。第3章の作業場のたとえで言えば、作業する人にも得意分野があるということです。2026年10月時点で、Appleが使っている呼び名は3つです。
スーパーコア :1つの作業を最速でこなすエース。アプリの起動や操作の軽さを担当します(M5以降)
高性能コア(Pコア) :重い作業を手分けしてこなす主力。M5 Pro以降では、スーパーコアと組んで、少ない電力で重い処理を受け持つ役になりました
高効率コア(Eコア) :メールの受信やバックアップのような裏方の作業を、少ない電力でこなす係。バッテリーの持ちを支えます
「Pコア」「Eコア」は英語の performance core・efficiency core の頭文字で、雑誌やWebでは「性能コア」「効率コア」と書かれることもあります。
表5:チップごとのCPU・GPUコアの構成
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※Apple Newsroomと各製品の技術仕様より。いずれもいちばん上の構成です。M1 Pro(8コアCPU版)やM4 Max(14コアCPU版)、M1の7コアGPU版など、コア数の少ない構成もあります。
同じ「高性能コア」でも、M1とM5 Proでは別物
同じ名前のコアでも、世代によって中身が違います。
M5が2025年10月に発表されたとき、Appleはそのコアを「高性能コア」と呼んでいました。2026年3月のM5 Pro・M5 Maxの発表で、このコアは「スーパーコア」と呼び直され、さらに「まったく新しい高性能コア」が別に加わりました。
つまり、M1〜M4の「高性能コア」の後を継いだのはM5の「スーパーコア」で、M5 Pro以降の「高性能コア」は新しく作られた中間のコア です。中古の仕様表で「高性能コア8個(M1 Pro)」と「高性能コア12個(M5 Pro)」を見比べても、同じものを数えていることにはなりません。M5 Pro・M5 Max・M5 Ultraには高効率コアがなく、M6は3種類すべてを積んでいます。
Pro以上はなぜGPUが強いのか
表5の右端の列を見ると、GPUのコア数は格が1つ上がるごとにほぼ倍になっています。M1なら、無印が8コア、Proが16コア、Maxが32コア、Ultraが64コアです。
AppleはM1 ProのGPUを「M1の最大2倍」、M1 Maxを「最大4倍」の速さと説明しています。コアが増えるのと同時に、メモリ帯域も太くなっています。M1 Maxの帯域は「M1のほぼ6倍」です。作業する人の数と、資料を手に取る速さが一緒に増えるので、GPUの力が大きく伸びるわけです。
Ultraは、Maxのチップ(ダイ)を2つ、UltraFusionという技術でつないだものです。ソフトウェアからは1つのチップとして見えます。M2 Ultraの発表には「2倍のパフォーマンスを実現しています」とあります。M5 Maxはそれ自体が2つのダイでできていて、それを2つつないだM5 Ultraは、4つのダイからなるチップです。
M3 Proは、コアの配分が変わった
M3 Proは、ひとつ前のM2 Proと比べて、コアの組み合わせが変わったチップです。
M2からM3への世代交代では、無印はマルチコアが約2割、Maxは約4割伸びました。Proだけは事情が違います。M3 Proは高性能コアを8つから6つに減らし、代わりに高効率コアを4つから6つに増やしました。メモリ帯域も200GB/sから150GB/sに細くなっています。
表6:M2 ProとM3 Proの比較(12コアCPU版)
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※構成と帯域はApple公式の技術仕様、点数はGeekbench Browser「Mac Benchmark Chart」(2026年10月10日取得)より。
シングルコアは世代どおりM3 Proが16%速い一方、マルチコアはほぼ同じで、GPUはM2 Proのほうが上です。M3 Proの発表でAppleが性能の比較に挙げていたのも、2世代前のM1 Proでした。
中古で選ぶなら、GPUやメモリ帯域が効く作業(動画の書き出し、ローカルLLM)はM2 Pro、操作の軽さとApple Intelligenceの上位機能(M3以降が条件)を取るならM3 Proです。数字が大きいほうが何でも上、とは言えない組み合わせです。
新しいチップは、アプリが追いついてから本領を出す
もう1つ、チップの性能は、アプリがそのチップに対応して初めて出し切れます。
M1が出た2020年11月には、Appleシリコンにまだ対応していないアプリは、Rosetta 2という仕組みで変換しながら動いていました。Photoshopがネイティブ対応したのは2021年3月10日、Premiere Proは2021年7月20日です。Adobeは、ネイティブ対応したPremiere Proを「同等のIntelベースのMacと比べて約80%高速」と書いています。発売から半年以上、本来の速さを出せなかったアプリがあったことになります。
M5でも似たことが起きました。GPUに入ったAI処理用の回路(Neural Accelerator)を、AppleのAI開発フレームワークMLXで使うには、macOS Tahoe 26.2以降が必要です。26.2の公開は2025年12月12日で、M5のMacBook Proの発売から約7週間後でした。LM StudioがM5向けに最適化したエンジンへの更新を出したのは、2026年1月6日でした。
コアの種類が増えたことも、アプリ側の作り方に関わります。Appleは開発者向けの資料で、処理の重要度(QoS)をアプリが正しく付けないと、反応の良さや電力効率が落ちることがあると書いています。
中古でM1〜M4を選ぶ利点はここにもあります。発売から時間がたっているので、主なアプリの対応は済んでいて、買ったその日から性能を出し切れます。9月22日に出たM6やM5 Ultraは、Appleのフレームワーク経由で自動的に速くなる部分もありますが、新しい機能を使い切るアプリが出そろうまでには時間がかかるかもしれません。
5. ベンチマークで見る世代と格の差
世代と格の差は、Geekbench 7の点数にはっきり表れます。シングルコアは1つの作業の速さ、マルチコアはCPU全体の速さ、Metalはグラフィックス(GPU)の速さです。
表7:Geekbench 7の点数
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※Geekbench Browser「Mac Benchmark Chart」(2026年10月10日取得)。チップごとに、もっとも点数の高かった構成の平均値です。M5 UltraとM6はまだチャートに載っていないため、Geekbench Browserに投稿された個別の結果の中央値です(件数はCPUがM6 24件・M5 Ultra(36コアCPU版)8件、MetalがM6 12件・M5 Ultra 6件。件数が偶数のときは真ん中の2つのうち小さいほうの値)。
図2:Geekbench 7 シングルコア(1つの作業の速さ)
※Geekbench 7。オレンジはM1 Maxと、無印M5・M6。数字の一覧は表7です。
図3:Geekbench 7 マルチコア(CPU全体の速さ)
※Geekbench 7。マルチコアはM1 Maxより無印M5・M6のほうが上です。数字の一覧は表7です。
図4:Geekbench 7 Metal(GPUの速さ)
※Geekbench 7。GPUはM1 Maxが無印M5・M6を上回ります。数字の一覧は表7です。
シングルコアは、世代が新しいほど素直に伸びています。 M1の2,191に対してM6は4,024で、約1.8倍です。同じ世代なら、無印でもMaxでもほとんど変わりません。アプリの起動やWebの閲覧など、普段の操作の軽さはこちらで決まります。
マルチコアとMetalは、格の差のほうが大きく出ます。 GPUの点数で見ると、M1 Max(108,744)は最新の無印M5(72,656)やM6(88,645)より上です。動画の書き出しや3D、そして後で説明するローカルLLMでは、この差がそのまま速さに出ます。
6. M3以降で強くなったGPUとAI機能
グラフィックスとAIの両方で、M3が1つの境目です。
GPUは世代でも伸びている
第5章では、GPUの点数は格の差が大きく出ると書きました。ただ、GPUの作りそのものも、世代ごとに変わっています。
表8:GPUの世代ごとの進化
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※Apple Newsroomより。比較の条件は発表ごとに違います(M5は2025年9月に、MacBook Pro 14インチ(M4)などと比べたテスト)。
レイトレーシングは、光の反射や影を計算して、本物に近い映像を描く技術です。M3からは、これを専用の回路(ハードウェア)で処理できるようになりました。Appleの発表では、ゲームの「サイバーパンク2077」、3DレンダリングのMaxon RedshiftやBlenderが例に挙がっています。Blenderは、M3以降のMacでだけハードウェアのレイトレーシング(MetalRT)を最初から使う設定になっています。
中古選びで気をつけたいのは、M1・M2世代にはハードウェアのレイトレーシングがない ことです。M1 MaxはGPUのコア数が多く、図4のGeekbenchの点数では無印M5やM6を上回ります。それでも、レイトレーシングを使う3Dレンダリングやゲームでは、M3以降の新しいGPUのほうが有利になる場合があります。3Dやゲームが中心なら、M3以降のPro・Maxを選ぶと安心です。
AIを処理する場所は3つある
AppleシリコンでAIの計算をする場所は、1か所ではありません。Appleの開発者向け資料では、AIの基本の仕組み「Core ML」がCPU・GPU・Neural Engineを使い分ける、と説明されています。
CPUのMLアクセラレータ :CPUに組み込まれた、機械学習の計算を速くする回路です。M1から載っていて、M4で「次世代MLアクセラレータ」になり、M5では「CPUのNeural Accelerator」と呼ばれています。海外では「AMX」と呼ばれることもありますが、Apple公式の名前ではありません
GPUのNeural Accelerator :M5以降、GPUの各コアに入った行列演算専用の回路です。M5では、AI処理のピーク時のGPU演算性能がM4の4倍を超えました。LM StudioやMLXで動かすローカルLLMは、主にGPUで計算します。効くのはAIの計算で、画面を描く速さ(グラフィックス)の向上は、表8のレイトレーシングなど別の改良によるものです
Neural Engine :AIの処理だけを受け持つ専用の部品です。M1の毎秒11兆回から、M3でM1世代より最大60%高速になり、M4では毎秒38兆回になりました。M6はNeural Engineを2つ積み、ピーク時の演算性能が前世代の最大2倍です(M3・M5・M6は「毎秒○兆回」の数値を公表していません)。Apple Intelligenceも、このNeural Engineの力を使っています
Apple Intelligenceを快適に使うにはNeural Engine、ローカルLLMにはGPUとメモリ帯域が効く、と分けて考えれば、選ぶMacで迷いません。
AIの処理の速さは、Geekbench AIというベンチマークで、部品ごとに測れます。AppleのAIの仕組みCore MLを通して、Neural EngineとGPUのそれぞれでAIの計算をしたときの点数です(ここでは、AIでよく使われる「量子化」という計算方法の点数を使っています)。
図5:Neural EngineでのAI処理の速さ(Geekbench AI・量子化)
※Geekbench AI(Core ML・Neural Engine・量子化)。公式チャートにMacが載っていないため、Geekbench Browserの検索結果に出たMacの個別の結果の中央値です(2026年10月11日取得)。件数はM1・M5が1件、M2・M3・M4が2件、M5 Maxが4件、M1 Maxが7件、M5 Ultra・M6が11件、M4 Maxが12件。
Neural Engineは、格が上がっても速くなりません。同じ世代なら、無印・Pro・MaxのNeural Engineはどれも同じ16コアだからです(第4章の表5のGPUのように、格でコア数が増える部品ではありません)。実際、M1 Maxは無印M1とほぼ同じ点数です。Ultraは、Maxを2つつないでいるのでNeural Engineも32コアありますが、M5 UltraもM5 Maxとほぼ同じ点数で、このベンチマークでは32コアの差は出ていません。その代わり、世代では大きく伸びていて、M1からM6で約4.8倍です。Apple Intelligenceのように主にNeural Engineを使う機能は、格より世代で選ぶのが正解です。
図6:GPUでのAI処理の速さ(Geekbench AI・量子化)
※Geekbench AI(Core ML・GPU・量子化)。取得の方法は図5と同じです。件数はM3 Max・M4 Proが1件、M5 Proが2件、M2が3件、M1が5件、M5 Max・M6が6件、M5 Ultraが8件、M1 Maxが9件、M4 Maxが12件。無印M4・M5は結果がなかったため載せていません。
GPUでのAI処理は、格の差がそのまま出ます。そのうえで、M5世代から大きく伸びました。20コアGPUのM5 Proが、40コアGPUのM4 Maxを上回っています。画面を描く速さ(表7)ではM4 Maxのほうがずっと上なので、この逆転は、GPUの各コアに入ったNeural Acceleratorの効果と考えられます。
2024年3月のM3搭載MacBook Airの発表では、大規模言語モデル(LLM)をローカルで動かせることが書かれ、MacBook Airは「AIのための世界最高の消費者向けノートブックであり続けます」と紹介されました。M1・M2世代のチップの発表には「LLM」という言葉は出てきません。AppleがMacとAIを強く結びつけて打ち出すようになったのは、2023年のM2 UltraやM3世代のころからです。
CPUのAI処理用の回路は、Windowsの仮想マシンでも使われ始めました。Parallels Desktop 27は、M4以降のMacで「SME」というCPUの機能を仮想マシンから使えるようにし、AIの行列演算が最大7倍速くなったと発表しています(Parallelsの発表です。Appleはこの機能について公表していません)。
Apple Intelligenceの上位機能はM3以降・メモリ16GB以上
Appleが用意しているAI機能「Apple Intelligence」そのものは、M1以降のMacならどれでも使えます。ただし一部の機能には条件があります。Apple公式ページでは、Siriの話し方のカスタマイズ とより精度の高い音声入力 の2つに、「M3以降のチップ+メモリ12GB以上」という条件が付いています。
Macにはメモリ12GBの構成がないので、実際にはM3以降で、メモリ16GB以上 のモデルが対象です。なお、音声入力の精度向上は、現時点では英語で提供されている機能です。
次の章で紹介するM1 ProやM1 Maxは、メモリをたっぷり積んでいても、この2つの機能の対象外です。
Siri AIは、M1以降のMacで使えます。2026年10月11日時点ではベータ版で英語のみの提供ですが、Appleは9月の発表で、10月から日本語でもベータ版の提供を始めるとしています(製品ページの表記は「年内」)。サーバーで処理する機能なので、1日の使用回数に制限があります。
AIは何に効いているのか
ローカルLLM以外にも、AIの処理はすでにいろいろなアプリの機能に使われています。主な機能と、使えるMacは次のとおりです。
表9:AIを使う主な機能と、使えるMac
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※2026年10月11日時点のApple、Adobe、AlphaTheta、Blackmagic Designの公式ページより。機能や条件はアップデートで変わります。
表9を見ると、日本語で使う範囲では、Apple Intelligenceの機能のほとんどはM1以降のMacで使えます。M3以降が条件になっているのは、いまのところ英語で提供されている機能が中心です。アプリのAI機能で条件になりやすいのは、チップの世代よりもメモリの量で、16GBが1つの目安です。Photoshopの削除ツールのように、M1 Pro以上と24GB以上のメモリを求める機能も出てきました。中古のM1 Pro・M1 Max(32GB)なら、この条件も満たします。
AIのためにMacを選ぶなら、最初に見るのはメモリです。16GB以上を選んでください。そのうえで、3Dやゲームでレイトレーシングを使うならM3以降、ローカルLLMならPro・Maxのメモリと帯域、と考えると選びやすくなります。
M1・M2世代でもmacOS 27にはアップデートできます。対応機種や新機能の詳しい話は、macOS 27の新機能まとめ で紹介しています。
7. 最新の無印より、中古のPro・Maxが得になる場面
秋葉館の中古在庫をチップとメモリの組み合わせで見ると、価格の逆転がはっきり出ます。
表10:秋葉館の中古Macの価格帯(チップ×メモリ)
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※状態ランクC以上の価格。2026年10月11日時点。中古は1台ごとに状態・構成(SSDの容量など)・価格が違い、在庫は日々入れ替わります。
M1 Pro 32GB(194,990円)は、無印M3 24GB(174,990円〜)や無印M4 16GB(189,990円)と同じ価格帯で、メモリは多く、帯域はM3の2倍、M4の約1.7倍です。M1 Max 64GB(279,990円〜)になると、無印M5 24GB(314,990円〜)より安いのに、メモリは2.7倍、帯域は約2.6倍あります。
無印チップはM6でも最大32GBなので、メモリ64GBが欲しければ、新しい世代でもPro以上を選ぶしかありません。 新品のM5 Proで64GBを選ぶと価格は大きく上がります。64GBに手が届きやすいのは、いまのところ中古のM1 Maxです。
それでも無印の新しい世代が向く方
無印の新しい世代のほうが合う方もいらっしゃいます。
Apple Intelligenceの上位機能を使いたい方 :M3以降+16GB以上が条件です(前の章のとおり。いまは英語の機能が中心です)
持ち歩きが多い方 :M1 Pro・M1 MaxはMacBook Pro 14・16インチです。軽さならMacBook Airの無印が有利です
普段の操作の軽さを重視する方 :Webやメール、事務作業なら無印で十分です。シングルコアは新しい世代ほど速いので、操作も軽くなります
メモリや帯域が効く作業をするならPro・Maxの中古、普段使いとApple純正のAIなら新しい世代の無印 。この線で考えると大きく外しません。
新品なら、M6のMac miniも有力
2026年9月22日に出たM6のMac miniは、新品の中でも特に手ごろです。Geekbench 7のベンチマーク上では、シングルコアは全チップでいちばん速く(図2)、マルチコアとGPUもM2 Pro・M3 Proを上回ります(表7)。価格はメモリ16GB・SSD 256GBで149,800円、32GB・512GBで257,800円です(Apple Store、2026年10月11日時点)。
32GB・512GBのM6のMac miniは、中古のM1 Max 64GBとほぼ同じ価格帯です。並べると、得意なことがはっきり分かれます。
表11:M6のMac mini(32GB・512GB)と中古のM1 Max(64GB)
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※価格はM6がApple Store、M1 Maxが秋葉館の中古(状態ランクC以上)で、どちらも2026年10月11日時点。M1 MaxはMacBook Pro 14・16インチ。点数と速度は表7・表13より(M6のGeekbenchは個別の結果の中央値)。
普段の操作の速さ、新品の保証とこれから長く受けられるOSのサポート、長い文書をLLMに読ませる速さを取るなら、M6のMac miniです。70Bクラスのモデルを動かしたい、答えの書き出しを速くしたい、持ち運びたいなら、中古のM1 Maxです。
M6のMac miniを選ぶなら、SSDは512GB以上をおすすめします。AAPL Ch.の計測(2026年10月3日) では、256GBモデルはNANDフラッシュが1チップの構成で、SSDの連続読み書きの速さが2チップ構成の512GBモデルの約半分でした。ローカルLLMでは、モデルを読み込むときにSSDの速さも効きます。
8. ローカルLLMをやるなら、見るべきはメモリの量と帯域
ローカルLLMは、ChatGPTのような大規模言語モデルをインターネット経由ではなく自分のMacの中で動かす使い方です。社外に出せない資料を扱える、通信がいらない、といった理由で関心が高まっています。LM Studio・Ollama・MLXといった主なツールは、どれもM1以降のAppleシリコンで動きます(macOS 14以降)。
ローカルLLMでは、Macに求められるものが普段使いとまったく違います。
まず「載るかどうか」はメモリの量で決まる
LLMは、モデルをまるごとメモリに読み込んで動かします。メモリに入りきらないモデルは、そもそも動きません。
表12:モデルの大きさと必要なメモリの目安
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※ファイルの大きさはOllama公式のモデルページ、Hugging Faceのモデルカードより。
macOSが標準の設定でGPUに使わせるメモリは、全体の3分の2から4分の3ほどです。会話が長くなると、その記憶にもメモリを使います。メモリ32GBのMacで実際にモデルに回せるのは20GB台 と考えてください。
70Bクラスのモデルは、無印チップ(最大32GB)では動きません。中古のM1 Max 64GBなら載ります。
WindowsのGPUより、MacがローカルLLMに向いている理由
ローカルLLMでMacがよく選ばれる理由は、第3章で触れたユニファイドメモリにあります。
Windowsで定番のNVIDIAのGPUでも、GeForce RTX 5090のVRAMは32GBです(NVIDIA公式)。第3章のたとえで言えば、GPUの作業机は32GBしかありません。70Bクラスの4bitモデル(43GB)は、1枚には収まりません。Macなら、中古のM1 Max 64GBでも、メモリの大半をGPUに回してモデルをまるごと載せられます。M5 Ultraなら最大512GBまで積めます。
Appleは早くからこの点を打ち出していて、M2 Ultraの発表(2023年6月)では、「最もパワフルなディスクリートGPUでも処理できない膨大な機械学習のワークロード」を、1つのシステム内でトレーニングできると書いています。比較の相手は、VRAM 48GBのNVIDIA RTX A6000でした。
価格の面でも差があります。2026年10月11日時点で、価格.comのGeForce RTX 5090の最安値は1,178,000円でした。グラフィックボード1枚だけで100万円を超え、ここにCPUやメモリ、電源をそろえてパソコンを組む必要があります。一方、Apple StoreでMac StudioをM5 Max(18コアCPU・40コアGPU)・メモリ128GB・SSD 1TBで選ぶと941,800円で、パソコンが1台まるごと買えます。VRAM 32GBのグラフィックボード1枚より安い価格で、メモリ128GBのMacが手に入る計算です。中古のM1 Max 64GBなら、279,990円からです。
※価格は2026年10月11日時点の税込価格(RTX 5090は価格.comの最安値、Mac StudioはApple Storeの構成価格)。グラフィックボードの価格は品薄の影響で大きく動きます。M5 Maxで128GBを選べるのは40コアGPU版だけです。
ただ、単体GPUがローカルLLMに向かないわけではありません。VRAMに収まる大きさのモデルなら、専用の高速なメモリを持つ単体GPUのほうが速く動く場合もあります。Windows側でも、AMDのRyzen AI Max+ 395のように、内蔵GPUと本体のメモリを使い、最大128GBまで積めるチップが出てきました。Macの強みを正確に言えば、大きなモデルを1台で動かすことを、中古のPro・Max・Ultraなら手の届く価格でかなえられる ことです。
「答えを書き出す速さ」はメモリ帯域で決まる
LLMの速さには2種類あります。
プロンプト処理 :こちらが入力した文章を読み込む速さ
トークン生成 :答えを1文字ずつ書き出していく速さ
Appleは、機械学習の研究ブログ(2025年11月)で、2つ目のトークン生成について「計算能力ではなく、メモリ帯域で決まる」と書いています。M5がM4より書き出しで19〜27%速いのも、帯域が120GB/sから153GB/sに増えたからだ、と説明しています。
llama.cppという定番のツールの開発者が、チップごとの実測値を公開しています。
表13:チップ別のローカルLLMの速さ(7Bモデル・4bit)
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※llama.cpp「Performance of llama.cpp on Apple Silicon M-series」(GitHub Discussions #4167)より。LLaMA 7B・Q4_0。M5系とM6は新しい版のllama.cppで測られているため、とくに読み込みの速さは古い行と単純には比べられません。メモリ帯域の値は計測者の記載どおりで、表3の公式値とは異なります。
図7:ローカルLLMの書き出しの速さ(トークン/秒・7Bモデル・4bit)
※llama.cpp「Performance of llama.cpp on Apple Silicon M-series」(GitHub Discussions #4167)より。LLaMA 7B・Q4_0。オレンジは中古のM1 Maxと、最新の無印M5・M6。数字の一覧は表13です。
書き出しの速さでは、M1 Max(61)が最新の無印M5(32)やM6(36)の2倍近く 出ています。表7のシングルコアでは無印M5のほうがずっと上だったので、順位がひっくり返ったことになります。ここで差を生んでいるのはCPUの速さではなく、表3で見たメモリ帯域です。
読み込みの速さは、M5世代が圧倒的
入力を読み込む速さのほうは、M5世代から大きく伸びました。GPUにAI処理用の回路が入ったためで、表13でも無印M5(723)がM1 Max(530)を上回っています。
長い文書を丸ごと読ませて要約する、資料をたくさん読み込ませて質問する、といった使い方では、入力が長いぶん読み込みの速さが効きます。こうした使い方が中心なら、中古のM1 Maxの有利は小さくなります。
新品のM5 Proも候補になります。書き出しはM1 Maxとほぼ同じ、読み込みは約3倍で、メモリも64GBまで積めます。ただ、M1 Max 64GBの中古とは価格の差が大きいので、読み込みの速さにそこまで払う価値があるかで決めてください。
モデルの置き場所には外付けSSD
ローカルLLMを始めると、ストレージも足りなくなります。モデルは1つで5GB〜40GB以上あり、いくつか試すうちにすぐ100GBを超えます。中古Macは内蔵SSDが512GBや1TBのものが多いので、モデルは外付けのSSDに置くのがおすすめです。
選ぶ基準は、お使いのMacがThunderbolt 5を積んでいるかどうかです(第3章のとおり、M4 Pro・M4 Max以降のPro・Maxと、M3 Ultra以降のUltraだけ)。
表14:モデル置き場向けの外付けSSD
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※表示している価格・スペックは掲載時点(2026年10月11日)の税込価格です。価格・セール状況・在庫は変動しますので、ご購入前に各商品ページで最新の情報をご確認ください。
迷ったらこれ: M1 Pro・M1 Maxなど、Thunderbolt 5を積んでいないMacなら林檎派 Macbeth SEで十分です。約2,800MB/sなので、5GBほどの8Bクラスのモデルなら、計算上は2秒ほどで読み込めます。M4 Pro・M4 Max以降やM3 Ultra以降のMacで、70Bクラスの大きなモデルを何本も入れ替えて使うなら、OWC Express 1M2 80Gが向いています。6,000MB/s超の速さを出すには、Thunderbolt 5を搭載したMacが必要です。
特徴:
USB4(40Gb/s): 約2,800MB/sの手のひらサイズ
すぐ使える: APFSでフォーマット済み
用途が広い: Time Machineのバックアップや、外付けSSDからのmacOS起動にも使える
付属品: USB Type-C to Cケーブル(30cm)とUSB Type-A変換アダプタ。保証1年
価格: ¥29,800(税込・掲載時点)
[RGHSE-1TB] 商品ページはこちら
外付けSSDからmacOSを起動する方法は、AppleシリコンMacの容量問題、外付けSSD起動という答え で詳しく解説しています。
9. 使い方別・アプリ別のおすすめ
表15:使い方別のおすすめのチップとメモリ
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アプリごとの目安
使うアプリが決まっている方は、メーカーが出している動作要件から考えるのが確実です。左の列は各社の公式の要件、右の列はそれを踏まえた当店の目安です。
表16:アプリ別の動作要件と、当店のおすすめ
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※メーカーの要件は2026年10月10日時点の各社公式ページより。DaVinci Resolveは、Blackmagic Designのリリースノート(21.1.1・2026年10月1日更新)の記載です。アプリの更新で要件は変わるので、購入前に各社のページもご確認ください。
Premiere Proの推奨の欄には、「Apple シリコン M1 Pro、M1 Max、M1 Ultra 以降」と、Pro以上のチップが名指しで挙がっています。動画編集では、5年前のM1 Pro・M1 Maxでも、メーカーの推奨に入るということです。
DJアプリはMacでDJを始めるならどのMac? 、Parallels DesktopはAppleシリコンMacでWindowsを動かす方法 で詳しく解説しています。
10. 秋葉館の中古Mac在庫
秋葉館では、M1 ProやM1 Maxを積んだMacBook Proの中古も扱っています。チップやメモリの容量は、一覧の各商品に記載しています。
中古MacBook Proの在庫一覧はこちら
※中古は1台ごとに状態・構成・価格が異なり、在庫は日々入れ替わります。
M1 MacBook Airと最新のMacBook Neoで迷っている方は、「MacBook Neo」か「中古M1 MacBook Air」か もあわせてご覧ください。
11. まとめ
Appleシリコンの名前は、数字が世代、Pro・Max・Ultraが格を表しています。普段の操作の軽さは世代で決まり、メモリの量・帯域・外部ディスプレイの台数・Thunderbolt 5は格で決まります。
9月22日にM6とM5 Ultraが出ても、M1以降のMacはmacOS 27に対応していて、アプリの対応も済んでいます。とくにM1 ProとM1 Maxは、最新の無印チップより多くのメモリと太い帯域を、中古なら手の届く価格で手に入れられます。一方で、Apple Intelligenceの上位機能を使うならM3以降、長い文書をLLMに読ませるならM5以降が向いています。
同じ予算でも、メールと事務作業なら無印のMac、ローカルLLMならM1 Maxの中古と、答えは使い方で変わります。どの構成が合うか迷ったら、店頭でもオンラインでもお気軽にご相談ください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。製品仕様・OS対応状況は変更される場合がありますので、最新情報はメーカーの公式サイトでご確認ください。